発展(進化)のキーワード「不連続の連続」って何?(2013/2/13)原田昇

最近よく耳にする「不連続」という言葉。

「不連続」は数学の世界で関数でも定義されていますが、
「経済」「経営」の世界でも良く使われているようです。

パナソニックが2011年に経営方針を発表した時に「非連続」という言葉を使って、
急激な環境変化への対応策を公表していました。

「連続」とは「つらなり、つづく」という意味であり、
対義語を考えると「不連続」とは「断絶、つづかない」という意味になります。
対になる言葉が続くと意味が分からない不思議な言葉になります。

経営用語としては「不連続の連続」は「イノベーション(変革)の継続」になるそうです。
SONYの出井伸之会長が著書のなかで、「ONとOFF」という言葉で表現しています。
企業の成長も、人の成長も、過去からの取組みや関わりの中で、
1つずつ着実に進んでいく「連続的な成長」と、
技術革新や新しい人との出会いといったイノベーションによって、
「ある種飛躍的に伸びる成長」とがある、という内容です。

ある有名な経済学者は、イノベーションの説明として
「馬車をどんなに改良しても鉄道は生まれない。」と言いました。

このように、ある技術の改良では生じないような新しい技術の発展が「不連続」であり、
これを「連続」させる事が大切だと言います。
大企業のように経営資源が豊富な場合は可能かもしれません。

私達には不可能でしょうか?
いいえ、身近な事から考えると、可能だと思います。
私達はよくSWOT分析で自社の強みと弱みを把握して
「強み」を活かした分野で発展しましょう、と言います。

しかし、それは「選択と集中」という事であり「イノベーション」による
5年・10年続く発展に繋げる事とは違う意味合いだと思います。

①現状を正しく把握して

②あるべき姿を明確にする

③あるべき姿の次元を高める

イノベーションで重要なのは、ゼロから新しいものを創り出すのではなく、
既知のものを組み合わせる、その結合の仕方(次元を高める)を考え、
行動を続ける事がイノベーションだと思います。

日本には老舗企業が多くあります。
老舗は、過去からの伝統を活かしつつ、強みの次元を高めたからこそ継続しているはずです。
私達も問題解決型だけでなく、課題創造型の思考も取り入れた会議を
「会議支援」として提供できるよう準備していきます。
「不連続の連続」を目指す事が発展に繋がる第一歩です。